嘔吐下痢症(感染性胃腸炎)の家庭での看護で一番重要なのは「食事療法」です。

 吐き気、嘔吐が激しい時期は比較的短く、食欲はほとんどありませんので、絶食、絶飲 に近い状態でけっこうです。吐き気止めの座薬、漢方薬などで吐き気を抑える治療が主体になります。


 4〜6時間経って嘔気がややおさまると水分を少しづつ与えられるようになります。治療用のソリタ顆粒(ちょっと味が悪いのが欠点です)や、最近初期の輸液に近い飲料が開発されたOS−1などを一回に3〜5ccづつ、2〜3分間隔から始め、嘔吐がなければ量を増やしていきます。

牛乳をこの時期に与えるとウィルスの攻撃を受けて弱っている腸に負担がかかり、嘔吐・下痢が長引く恐れがありますので控えてください。母乳の蛋白質、脂肪は牛乳のそれよりも吸収されやすいため、与えてかまいません。

何度も嘔吐して、グッタリし、目が落ち凹んだり、手足が冷たい時には急激に脱水になっている場合が考えられます。点滴や入院加療が必要になることがあります。


 嘔吐の時期を乗り切れば一安心です。


 何度も下痢をすることによって、体の水分や電解質が失われますので水分の補給が必要です。市販のイオン飲料水は味はよいのですが塩分の濃度が低いため体液が薄まってしまいます。治療用には、前述のソリタ顆粒やOS−1が適しています。OS−1はまだ一般に市販されてませんが当院で入手可能です。 うすい塩味の 野菜スープ を作ってあげてもよいでしょう。


 お腹にかかる負担が最も少ないのは お粥、うどん、パンなどのでんぷん類 です。

腸管が弱って消化吸収機能が障害された場合、母乳やミルクに含まれている乳糖を分解できなくなってしまい下痢が長引く場合があります(二次性乳糖不耐症)。その場合は、お薬で乳糖分解酵素というものを、母乳を与える前に飲んでもらったり、ミルクを作るときに混ぜてもらったりして、乳糖の消化を手助けする方法があります。あらかじめ乳糖を加水分解したミルクを勧める場合もあります。


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