破傷風とは
破傷風菌:土壌中に棲息する。傷口から破傷風菌が体内に侵入した場合、深部で嫌気性発育する。
釘を踏み抜いた場合、刺が刺さった場合など、浅くても深い傷が特に問題となる。
抜歯、手術、注射などで感染した例も知られる。
体内で増殖した破傷風菌が破傷風毒素を産生すると、この毒素が全身の筋肉を麻痺させる。これが破傷風 Tetanus である。
破傷風トキソイド
破傷風の発病を防ぐためのワクチンです。 単独のワクチンもありますが、3種混合ワクチン(DPT)と2種混合ワクチン(dT)にも含まれています。小児の場合は、三種混合ワクチンDPTとして接種されます。
Q.海外赴任しますが、破傷風の予防接種を受けた方が良いでしょうか?
以下の2点を考慮した上で、必要性を判断して下さい。
破傷風のリスク
赴任先が先進国でも、医療機関の受診を躊躇される方がいます。 原則として、破傷風の予防接種は受けておいた方がよいと思います。 ただし、赴任先によい医療機関があってアクセスも容易なら不要です。
予防接種歴
小児期に予防接種を受けていても、5〜10年で効果が切れます。 成人の場合、十分な免疫は残っていないと考えるべきでしょう。 ただし、外傷等で追加接種を受けた経験のある方なら追加接種は不要です。
一般的に、海外への長期赴任者なら予防接種を受けておいた方が良いでしょう。
Q.予防接種のスケジュールは?
A.基礎免疫の有無によってスケジュールが異なります。
基礎免疫のない人
今まで破傷風の予防接種を受けたことがない人は、3回注射を受ける必要があります。 1カ月間隔で2回接種を受け、3回目は6〜12カ月後に受けます。
基礎免疫のある人
最終接種から25〜30年の間は免疫記憶が残っているとの報告があります。一般論として、以下のような判断が妥当でしょう。
未成年の場合、DPT,DT接種の効果が持続しているので、追加接種は不要です。
20〜40歳の場合、DPT,DT接種歴が確認できれば、1回の追加接種で効果が期待できます。
50歳以上の場合、小児期の予防接種の効果は期待できません。3回接種が原則です。
ただし、外傷などで破傷風トキソイドを接種した経験がある場合を除きます。
Q.予防接種の副反応について
1回目の接種ではほとんど問題はおこりません。 しかし、繰り返し接種を行っているうちに、アレルギー反応がでることがあります。 時には肩から指先まで腕全体が腫れあがる場合もあります
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