熱性けいれん(ひきつけ、けいれん)がおきた時
熱性けいれんは一般の乳幼児の4〜7%前後に認められ、「よくある病気」の一つです。熱性けいれんの多くは良性の経過をとり、この疾患のため精神/運動の発達に遅れをきたすことはないとされています。けいれんは大抵の場合1〜2分(長くても5分以内)でおさまります。一度ひきつけた子の1/3強が2回以上おこしますから、今度ひきつけたときのために、次のことを知っていてください。命にかかわるような事は滅多に無いので慌てないで次の処置をしましょう。
A. あわてない:こどもが突然ひきつけるのを見るのは、親にとってとても恐ろしいものですが、ひきつけはほとんどの場合数分間で止まります。(親にはとても長く感じますが)命に関わることはほとんどありません。こころを落ち着けて、まず、ほんとうにひきつけを起こしているか?考えましょう。眠っているとき、たまにピクッとするのは正常です。けいれんではありません。
B. ひきつけているときにやってはいけないこと【重要】:口の中に指や箸・スプーンなどを突っ込んではいけません。意識がないときにこのようなことをすると、吐いた物が気道に詰まって窒息死する恐れがあります。「舌を噛むから」とよく言われますが、舌は痙攣のいちばん初めに噛まなければ、その後に噛むことは絶対にないと言っていいほどありえません。大声をあげて揺すったり、けいれんしている身体を押さえつけたりもしないようにしましょう。
C. 楽な姿勢にする・はくと危ない:身体を横に寝かせ、衣服をゆるめる。ピンなど危ないものはとりはずす。けがをさせないことを最優先にしてください。吐きそうなしぐさをしたら、身体ごと横向きにして、吐いたものが喉に詰まらないようにしましょう。
D. 見守る:時計を見て、けいれんが何分続いているか確かめる。あとで受診先の病院で経過を話せるように:けいれんはいつ頃始まって、何分間続いたのか。何か前触れはあったか。突然か。けいれんは最初から全身だったか?それともどの場所から始まって、どの場所へ拡がっていったか。偏りはなかったか。全身を固く突っ張らせたか?それともがくがくさせたか?その両方か?顔色はどうだったか?目つきはどうだったか?けいれんが収まった後はどうだったか? ぼうっとしているか? 手足は左右とも動かせるか?
E. 受診する:受診先に電話をすると、救急車で来てください/一息入れてから/しばらく様子を見て などのアドバイスがあると思います。けいれんが10分以上続くようなら、けいれんの途中でもすぐに救急車を呼びましょう。
熱性けいれんを起こしやすいお子さんに対して
熱がでたときの対応を主治医と相談しておきましょう。熱がでたときは水分を充分あげましょう。
けいれん止めの薬を用いて発熱時にけいれんを予防する方法(別紙パンフレット参照)がありますが、熱性けいれんを起こしたお子さん全てに予防が必要ではありません。予防投薬の適応についてはこちらへ
けいれんの時の状態が下の事柄にひとつでも、あてはまる場合は、院長に相談してください。
1. 家族に、てんかんの人がいる。
2. 熱が38度以下の時でも、けいれんが起こったことがある。
3. 生後6カ月以前にけいれんが初めておこした。5才を過ぎてもけいれんがおきる。
4. 体の右又は左半分だけに、ひきつけがおこる。
5. 15分以上、けいれんが続いたことがある。
6. 同じ日に、何度もひきつける。
7. 他の子とくらべ、運動機能やことばの発達が遅れてきたようなきがする。
8. 以前もしくは現在、脳に障害がある(あった)。
9. お風呂にはいった時、入った後、ひきつけたことがある。
その他、わからないことがありましたら、お気軽に院長、看護師にお尋ねください。
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