手足口病とは、その名のが示すように、手のひら、足の裏、口のなかに小さな水ぶくれができる病気です。

手足にできるものは、水疱をつくるものもあれば、皮膚に豆を埋め込んだようになる場合もあります。手足口以外の部位、ひざや肘、おしりにも発疹がでることがあります。

好発年齢は乳幼児に多く、学童・成人にも感染することがあります(私も医者になってから手足口病になりました)。

10人のうち3人くらいに38℃位の発熱がみられますが、熱はほとんどでないと思ってよいでしょう。

手足の水疱はほとんど痛がりませんが「かゆい」「いたがゆい」と訴えることもあります。治療をしなくても自然に治る場合がほとんどです。ただ、口内炎がかなりひどくなることがあるので、こんなときはよだれを多く流し、食べるのをいやがるようになります。なるべく口の中を刺激しないような、うす味でやわらかい食べものを選んで与えてください。熱いもの、塩味や酸味の強いもの、かたいもの、パサパサしたものは避けたほうが無難です。入浴は熱がなく元気ならかまいません。

非常に稀ですが、注意すべき合併症として髄膜炎があります。熱がでて、もどしたり、ぐったりしたり、食欲がなくなったり、頭を痛がるときは、診察を受けてください。


 手足口病をおこすウイルスは、少なくとも3種類ぐらいあります。以前に罹ったことがあってもまたうつることがあります。1シーズン中に2回かかったり、3回もかかるといったこともあります。


 保育園や学校を休むべきかどうか尋ねられることがありますが、発病していない潜伏期の子供もウイルスを排出していますし、感染しても発病しない「不顕性感染」の子供達もたくさんいるので、休むことで流行をくいとめられません。それゆえ医学的に元気なお子さんは休む必要はありません。ただし、上述しましたように、髄膜炎等の合併症もありますので、発熱したり、元気がないときなどは、充分な休養をとったほうが良いでしょう。

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